星降る夜に。
「これを返すってことは、どうなるか分かってるのか?僕は別れるなんて一言も言ってないけど」


「覚悟してます。自分が蒔いた種だから…」




あてのない明日が来る。


仮に誠さんが許してくれて結婚したとしても、私にはこれまでの二人を続けられる自信がない。今の私たちの間には信頼の二文字もないのだから。


私には実家を支える力なんてない。

また最悪な状況が訪れるかも知れない。


私の身勝手な行動が、みんなを不幸にするのだ。
こんな簡単なことがなぜ、分からなかったんだろう。



いや、分かっていたのに止められなかったんだ。





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