星降る夜に。
昼間は甥っ子の世話を引き受けて、由衣はパパとママと一緒にプールに出かけて行った。親子3人の時間なんて普段はないだろうから、私がいるときくらいは協力してあげたい。


日陰を選びながら散歩に出たり、赤ちゃんでも遊べるホテル内のスペースで遊ばせたりしていると、時間が経つのはあっという間だった。





夕飯はバーベキュースペースで、わいわい楽しんだ。

海が一望出来る高台は絶景だ。


普段はほとんど飲まないビールも美味しく感じる。
私は缶ビール、姉はノンアルコールビールで乾杯した。




「莉子、もう大輔さんには会いにいかないの?」


「行かないよ。連絡も取ってないし…それぞれ生きてるんだから。大輔さんが幸せでいてくれたらと思ってる」



姉は今でもそのことが気がかりなようで、大きなため息をついた。

大輔さんはモテるだろうし、彼女がいるかも知れない。でもそれが普通で、好きな人には幸せでいてほしい。




「あんたはいつも自分の幸せは二の次ね。それ、やっぱり似合ってるわよ。私は莉子には大輔さんが一番合うと思うんだけど」



姉は私の首元を指さした。


大輔さんから貰ったネックレス。ずっとジュエリーケースで眠っていたけど、久しぶりに身につけた。
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