星降る夜に。
毎日つけていたかのように、しっくり落ちついている。



「この島で貰ったから…。ここにいる間は身につけてもいいかな、って」


「何に遠慮してるのか知らないけど、大切なものほど身につけないともったいないわよ。特にジュエリーはね」



姉は、私の結婚指輪なんて傷だらけだと笑う。



「莉子はあれからずっと頑張ったじゃない。休む間もなく働き続けて。だからここに連れて来たのは、お姉ちゃんからのご褒美。莉子はいつだって私の妹なのよ。だから自分に嘘をつかないで、真っ直ぐに生きて。私は味方だから」


「ありがとう」



あの日、姉は最後まで私をかばってくれた。
あの場に姉がいなかったら私はどうなっていたのか分からない。両親との間にわだかまりが残ったかも知れない。


大輔さんと出会えたのも姉のおかげだ。


お姉ちゃんの妹で良かったな…。






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