星降る夜に。
バーベキューを終えて姉たちと別れると、私は迷うことなく砂浜に向かった。
ビールで火照った体には海風が気持ちいい。
砂浜に座って空を見上げると、星がいくつも輝いている。手を伸ばしたら触れそうな、今にも降ってきそうな、空一面に輝く星たち。
あのとき、大輔さんと流れ星の話をした。もし流れ星を見たら何を願うか。
私は自分のことを願えなかった。
大輔さんは私が自分のことを好きでいてくれるように願うと言った。
もし今流れ星を見ることが出来るのなら、大輔さんと誠さんの幸せを願おう。
仰向けに寝転がると、まるでプラネタリウムのように感じる。
私…大輔さんのことを思い出してもいいかな?
今だけ、あの日々に戻ってもいいかな?
たくさんの人を傷つけて迷惑をかけた。
私に出来ることは何もなかった。だからひたすら働いた。
いつかは本格的に親の仕事を手伝おうかと思っているけれど、どうしたらいいのかわからないまま生きている。
大輔さんと過ごした時間が一番幸せだった。
今もこれからも、あのときが人生で一番だと思う。
それとも思い出だから美化されているだけなのかな。