星降る夜に。
♦忘れられない夜
ディナーをイタリアンで済ませたあと、スカイラウンジにあるBARにやって来た。
窓際の席はスカイエリアと同じく、海が一望出来る。
空には煌々と輝く星がいくつもあって、まるで降ってきそうなほどだった。
ホテルの外観もなるべくライトを消して、海岸から天体観測が出来るらしい。
私はあまりお酒が飲めないから、イタリアンでもワイン一杯しか飲まなかった。
大輔さんは強いらしくガンガン飲む。
お酒に詳しくない私は、大輔さんがオーダーしてくれた紅茶風味のお酒に口をつけた。
“ロングアイランド・アイスティー”。
「美味しい!飲みやすいんだね」
紅茶なんて一滴も使っていないというのに、とても飲みやすい。
「コレは男に勧められて飲んじゃいけない酒の一つね。ウオッカもテキーラも入ってるから度数は高い。酔いつぶれたら襲われるぞ」
そうなんだ…。
うっかり飲んじゃいけないお酒なのね…。
でも酔いつぶれたっていい。私はもう一口、ぐいっと飲んだ。