星降る夜に。
私の唇に軽くキスをしたあと、舌が滑り込んできた。

熱くて甘い、少しざらついた舌が私の咥内を探るように動く。

角度を変えて何度も続くキスに息が出来なくなりそうになっても、まだ彼が欲しくて、それを伝えるように背中に腕を回した。



「はぁ…」



唇が離れるとため息がこぼれた。
こんなに求められるキスは初めてかも知れない。

大輔さんは首筋にキスを落としてくる。
そして鎖骨のくぼみにキスをしてから、鎖骨を甘噛みしてきた。


「んっ…」



何とも言えない刺激に声がこぼれて恥ずかしくなる。



「莉子、その声はやばい。欲しくなる」


「…部屋に、来て」



私は大輔さんを誘い込んだ。

密室にこんな状況の男女が一緒にいたら、何かが起きて当たり前なことくらい分かっている。

むしろ何も起こらないほうがおかしいだろう。


分かっているからこそ誘ったんだ。

“そうなりたい”という訳期待を込めて。
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