星降る夜に。
「莉子、その顔色っぽい」


「どんな顔?」


「ん~…俺を欲してる顔?」



ただでさえ見えない自分の表情がますます分からなくなって笑ってしまうと、大輔さんもつられたように笑い出した。


だけど急に真剣な表情になって、ドキドキしてしまう。

ここまで来て引き返そうなんて思わない。私の意識は彼だけ捉えている。

ドキドキするのは、彼の熱に囚われる確信があるから。



「莉子、いい?」



少し掠れた声が色っぽい。

問いかけに頷くと、私を気遣うかのようにゆっくりと彼の昂ったものが侵入してきた。
私の中が一気に熱くなる。


「あっ…」


私の一番奥まで辿りついたとき、一瞬声をもらすとそれが合図になったかのように彼のスピードが上がった。

キスで唇をふさがれると上がっていく息の苦しさも忘れて、甘さで満たされる。



今夜のことはきっと一生忘れられない。忘れたくない。

この瞬間を一つたりとも忘れたくなくて、手放しそうな意識を必死につなぎ止めた。
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