星降る夜に。
テーブルの上に置いていたスマホの振動が聞こえて、急いで室内に入る。
まるでタイミングを見計らったかのような、誠さんからのメールだった。



“バカンスは楽しんでる?
明日は空港に迎えに行きます。
お土産話、楽しみにしてるから聞かせてね”



シュノーケリングやエステのことを手短に入力して返信した。

私はまだもう少し、この夢の中にいたい。
今夜には醒める夢だから。






私たちは遅めの昼食をホテル内のビュッフェで済ませた。

他愛もない話をしながら時間が流れていく。


大輔さんは東京のジュエリーショップで共同経営者として働いているのだという。

肩書きは専務で、大輔さんは店舗での接客、社長である友人は宝石の仕入れやオリジナルジュエリーのデザインを手がけているそうで、この旅行中は大輔さんの代わりに店舗で仕事をしているらしい。


私の鎖骨の間で輝くこのネックレスは商品化するそうで、お揃いで指輪とピアスも作ると言っていた。
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