星降る夜に。
莉子ちゃんが僕と付き合って、結婚してくれるなら、工場は一生安泰だよ?ずるいかも知れないけど、僕は莉子ちゃんが好きなんだ。幸せにするし、付き合ってほしい」
工場には昔から働いてくれている人も、姉の旦那さんもいる。姉と結婚するときに、それまで勤めていた会社を辞めて工場に入ってくれたのだ。
父がいずれ継いでほしいと言ったから、それを引き受けてくれた。
最初はそんなふうに不本意に付き合い始めたけれど、誠さんは優しい人だし、ご両親は私を娘のように可愛がってくれる。
私の両親は、恩人である誠さんと私が付き合うことも、結婚することも手放しで喜んだ。
みのりは「玉の輿じゃん!」と羨ましがった。
反対したのは姉だけで、そうなった経緯なんて一切話さなかったのに「やめたほうがいい」と言った。
「莉子、本当に好きで付き合うならいいわよ。でも元からその男と知り合いで、事情を知って工場を救ってくれて、それで莉子がそいつと付き合うって、どう考えても何かあるじゃない」
姉は今でも心配してくれている。
結婚したらもう後戻りは出来ない。でもみんなを路頭に迷わすなんてもっと出来ない。
両親が経営に失敗したら従業員は仕事を失うし、両親には莫大な借金が残るだろう。
妊娠中の姉を不安にさせたくない。みんなが幸せでいてくれたら、私はそれでいいんだ。
工場には昔から働いてくれている人も、姉の旦那さんもいる。姉と結婚するときに、それまで勤めていた会社を辞めて工場に入ってくれたのだ。
父がいずれ継いでほしいと言ったから、それを引き受けてくれた。
最初はそんなふうに不本意に付き合い始めたけれど、誠さんは優しい人だし、ご両親は私を娘のように可愛がってくれる。
私の両親は、恩人である誠さんと私が付き合うことも、結婚することも手放しで喜んだ。
みのりは「玉の輿じゃん!」と羨ましがった。
反対したのは姉だけで、そうなった経緯なんて一切話さなかったのに「やめたほうがいい」と言った。
「莉子、本当に好きで付き合うならいいわよ。でも元からその男と知り合いで、事情を知って工場を救ってくれて、それで莉子がそいつと付き合うって、どう考えても何かあるじゃない」
姉は今でも心配してくれている。
結婚したらもう後戻りは出来ない。でもみんなを路頭に迷わすなんてもっと出来ない。
両親が経営に失敗したら従業員は仕事を失うし、両親には莫大な借金が残るだろう。
妊娠中の姉を不安にさせたくない。みんなが幸せでいてくれたら、私はそれでいいんだ。