星降る夜に。
この時期の配送会社はどこも忙しい。
お中元・お歳暮の季節は仕分けだけでも目が回る。
加えてうちの会社は人手不足が続いていて、私は事務といいながらも何でもやる。
「莉子ちゃん、悪いんだけど集荷行ってもらえない?ドライバーがみんな都合つかないのよ」
ベテラン事務の岡村さんに声をかけられて、私は仕分けの手を止めた。
仕分けは臨時アルバイトの人を増やしているけれど、それでも追いつかない。
「いいですよ。でも伝票も溜まってるし、岡村さん一人で大丈夫ですか?」
「何とかする。コレ、住所ね」
手渡されたメモ用紙には住所と電話番号、お店の名前が書かれていた。
「ミラクルジュエリー?」
「春くらいから時々依頼してくれてるのよ。ジュエリーショップで、通販もやってるんだって。その荷物なのよ」
少し距離があるけど、車だから30分もあれば着くかな…。私は車のキーと、サイズを測るためのメジャーやお釣りなどが入ったバッグを持って外に出た。
立っているだけで汗が出てくるし、じりじりと肌が焼けそうな暑さ。