星降る夜に。
こうして時々、軽い荷物の集荷や配達に行くこともあるけれど、これを夜遅くまでやっているドライバーさんたちには頭が下がる。



お店まではカーナビのおかげでスムーズに行くことが出来た。お店の前に車を停めて店内に向かう。


ゴールドの綴り文字で、miracle jewelry と看板が出ていた。


店内に入ると、カチッとスーツを着こなした若い女性店員が出迎えてくれた。荷物の集荷に来たことを伝えると、お待ちくださいと言って奥に入って行った。

ショーケースがいくつも並んでいて、白い大理石の床は汚れ一つなくピカピカしている。



近くのショーケースの中を覗き込むと、ハート型のダイヤモンドのピアスが目にとまった。一番小さいものでも3万円近く…。やっぱり宝石は高いんだな…。

ふと、自分の薬指にある婚約指輪に目をやった。このダイヤはどれくらい高いんだろう。



「お待たせしました。これが荷物なんですけど」


「あっ、はい」




顔を上げた私は自分の目を疑った。


どうして…?
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