星降る夜に。
どうして、大輔さんが…。


彼はあのときと同じ、薄いブラックのベストと細身のパンツと白いワイシャツに、薄い水色の太めのネクタイを合わせている。

胸にあるネームプレートには“吉岡”の文字。


大輔さんも驚いた表情で私を見ていた。


「莉子、だよな」


「お荷物のサイズを測らせてください」



ダンボール箱は小さいものが5つ、中くらいのものが3つ。それからA4サイズの封書が20通あった。

思いがけない出来事に手が震えて、なかなか計測が進まない。



「莉子、そのネックレス使ってくれてるんだな」



その言葉にハッとして首元を押さえた。いつもボタンを2つ開けているから見えてしまったんだ…。


大輔さんがデザインしたという、ハートが3つ連なったピンクゴールドのネックレス。

あの日からずっと身につけている。これは私の大切な宝物で、お守りでもある。


私は何とか計測を終えると代金を受取って、控えの伝票を渡した。ドキドキしすぎて大輔さんの顔をまともに見れない。
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