星降る夜に。
20時に仕事を終えてから誠さんと待ち合わせをして、彼の行きつけであるイタリアンのお店で夕飯になった。
さすがに制服のままというわけにはいかないから、こうして予定があるときは着替えを持ってくる。
今日は花柄のレギパンと、レースがあしらわれた白いノースリーブのチュニック。
それに少しヒールがあるグラディエーターサンダル。
どれも姉から借りたものだ。
「莉子、結婚指輪はどんなのがいい?」
「傷がついても気にしなくていいような、そんなに高くないやつ」
「欲がないなぁ。ま、そこがいいんだけどね。一生ものなんだから贅沢言っていいのに」
結婚式の費用は誠さんのご両親が出してくれると言うし、私たちは新居となるマンションの購入をしようかと話している。
私は高価なものを買うこともなかったし、お金を使うこと自体そんなにない。だからなのか欲が出ないし、むしろ何でも安く済ませたいと思ってしまう。
「そういえば日曜だけど、式の打ち合わせのあとでマンションのモデルルーム見に行かない?いいところ見つけたんだ」