星降る夜に。
しっかり食べておかないと仕事が終わるまでもたない。



「男の前でもガッツリ食べれるっていいよな」


「たまたま、だから」



本当は食事なんて喉を通らないくらい、胸がざわついている。

今ここで大輔さんと食事をしていることに罪悪感がないわけじゃないし、いけないことだと分かっている。だけど嬉しい自分がいるのは確かで…。

それを認めることは出来ないけれど。







私は食事を大輔さんにご馳走になってしまった。自分の分は払うと言っても払わせてくれなくて、“その代わり”を彼は提案してきた。



「今週空いてる日あるか?」


「…どうして?」


「あの約束。せめてそれだけは果たしてくれよ。一緒にメシ食いに行こう」



それだけは?

一緒に食事をしたら、それで済ませてくれるっていうこと?


「莉子に合わせるから。いつならいい?」


私は土曜日も仕事だから、土曜の夜は大抵誠さんと過ごしているし…。最近は結婚式や新居のことで週末は忙しい。
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