星降る夜に。
けれどみのりはあっけらかんと「フツーは連絡先くらい聞くでしょ」と言い放ったのだ。


彼女もまた、私の結婚を心配してくれている。


姉には一生言わないけれど、みのりは私が誠さんと付き合うまでの過程を知っていて、最初の頃は猛反対していた。




「誠さんが好きだから結婚するんだよ。ありがとね」


「今時こんな言い方は古いけどさ、要は身売りでしょ?実家助けるためとはいえ、ボンボンと一緒になる。…莉子、そのネックレスどうするの。あ、ピアスもか」



みのりは私のネックレスを指さしてため息をついた。

ピアスとアンクレットは大輔さんと会うときだけつけたらいいのに、毎日つけている。

今のうちに出来るだけ身につけておきたいから。



「ネックレスは式のときは外すけど、終わったらまたつける」


「もしダンナが他のジュエリーをプレゼントしてくれても?」


「…そのときはそっちをつけるけど。しばらくしたらまたこっちに…」


「莉子!結婚するなら高城さんを優先しなきゃいけないことくらい分かってるでしょ?もう身につけないほうがいい。吉岡さんと食事するのは勝手だけど、期待させるようなことをしたらいけないからね。お互いに苦しむことになるんだからね」
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