星降る夜に。
みのりの言うことはもっともだ。

一生身につけていられるわけじゃない。
大切にしまっておくしかない。

大輔さんとも会うべきじゃない…。会いたくても、私は彼の気持ちに応えられない…。



「莉子が高城さんと一緒になって幸せになるって言うなら口出しはしない。自分で決めるしかないからね。だけど自分の気持ちには正直に。覚えといてよ?さて、ビール注文するかな。莉子もそれ飲んじゃいなさいよ」



私のグラスに半分くらい残っているレモンサワー。

みのりは店員を呼ぶと、ビールと私に梅酒サワー、それから焼き鳥と串揚げの盛り合わせを注文していた。



お酒を見ると思い出すのはあの言葉。


“男に勧められて飲んじゃいけないお酒”。

あのお酒以外にもあるのかな。



「そういえばさ、吉岡さんと今度会うときはちゃんとオシャレして行きなよ。うちのアパレルの服、社員割で安く売るし」


「オシャレなんてしないよ。制服のまま行く」


「どうして」


「だってそれじゃ、楽しみにしてるみたいで嫌だし…」
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