星降る夜に。
「莉子、日曜日だっていうのに出かけないの?」
「そういうお姉ちゃんこそ」
「だって暑いし、お腹も重たいし」
両親も姉の旦那さんも日曜日だというのに仕事だ。来週の後半からわずかなお盆休みに入るという。
姉は娘の由衣を連れて実家にやってきて、のんびりしている。
私は忙しい母に代わって家事をする。由衣はリビングにブロックを広げて遊んでいる。
姉は11月初旬が出産予定日で、お腹も大きくなっている。
「せっかく誠くんがいないんだから羽を伸ばしなさいよ。みのりちゃんはどうしてる?」
「羽なんて伸ばさないから。いつもと変わりなく生活するだけ。みのりは来週から休みに入るから彼氏と旅行だって。必要なもの買いに行くって言ってた」
冷蔵庫からオレンジジュースを出してコップに注ぐ。由衣のコップはキャラクターのやつで、私が買ってあげたもの。
「旅行かぁ。いいわね。私も行きたいわ」
「由衣も!ママ、どっか遊びに行きたい」
「莉子に頼んでみなさい。由衣が言えばどこだって連れて行ってくれるわよ」