裏の世界の地味子



父はリストラされ、毎日夜遅くまであちこちで働いていた。


一方母は、毎晩遅くまでホストクラブに通うか、家に男を連れ込むか、どっちかだった。


当時中1の私は家に居るのが嫌で嫌で、夜の闇の世界に出てしまった。


ネオンがキラキラと輝く道をフラフラと歩いていく。


そしたら不良に絡まれて。


なんか。多分無意識。


男を蹴り飛ばし、後ろからの相手に肘でエルボを食らわした。


五人いた男たちは全滅した。


自分で自分が怖くなった。


私は初めて人を殴った。









自分のこの手で。












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