裏の世界の地味子
「うぅ……グスっ……」
久しぶりに涙が零れ落ちた。
瞳に収まらないほど溢れ出た。
そんな私を奏はそっと抱き締めた。
「大丈夫。俺が傍にいる、絶対独りになんてさせない。消えさせない」
その言葉にまた涙腺が緩んだ。
この人なら……。
信じても
いいのかな。
これが私と奏の出会い。
その後私は、髪を切って赤く染めた。
赤は血の色。
そして紫月組の組員になって、
今は若頭補佐をやっている。