ためらうよりも、早く。
どの世界、どのグループにも一定数、異を唱える者が存在する。
人それぞれ違うように、様々な考えも生まれるので、これは至極当たり前のことだろう。
互いに譲らない両者の主張は平行線。そこに中立の者まで現れ、三つ巴となった場はもう手に負えなくなる。
ふたつの意見をまとめようとしたって、ほんの少しでも相手の意見側に振れた時点で新たな諍いが生じるのだから結局、中間地点は見つからないのだ。
どうしても中立者はどっちつかずにしか感じられないが、人の意見を取り入れようとする優しいタイプともいえる。
さて、自称・いらちな女としては、そんなグダグダ感満載の議場が昔から好きではない。
ただし、面倒な事柄から逃げるような卑怯者でないのは確かである。
寧ろ、早期解決のためには一切の尽力を惜しまず、生きてきたはず。
ただひとつ、昔からそれが出来ずにいる“案件”だけを除いては……。