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田口と磯谷は僕よりも夢野を見て驚いていた。

「なんであいつがいるんだよ。
休みじゃなかったのか?」

田口は磯谷に言った。

「どうしたの?」

僕は2人に聞くと、2人は僕を睨む。

「昼休みはいつも夢野君がここを占領しているから
俺達はなかなか来れなくてね。
俺達だって屋上で君達みたいに昼寝をしたい時もあるさ。
サッカーばっかりじゃつまらないからな。」

「今日は夢野君が休みでいないだろうと思って来てみたのに
いたからビックリしたよ。いつからそこにいたんだ?
まさか、朝からそこでサボってたとか言うなよ」

田口と磯谷は僕達から離れた場所でそう言う。
しばらく田口と磯谷は夢野を睨んでいたが、
少し怖がっているようにも見え、そしてそのまま屋上から出ていった。

すると夢野はフフッと笑い始めた。

「本当にそれだけかな」

夢野は本を閉じると僕を見た。

「あいつら、今日は俺が休みだと思ってたから、
本当はお前が1人でここにいると思ってたんだ。
きっと1人きりになったお前に忠告をしに来たんだろうな。
もう1度、【夢野類には近付くな】ってな」

夢野はそう言うと僕を睨む。

「お前は、何度同じことを言われても、
あいつらの言うことを聞かないつもりなのか?」


僕はそのつもりだった。
何があっても僕は夢野の味方だ。

「あ・・・ああ。」

僕がそう言うと、夢野は目を反らす。

「告白されたんだろ?秋山に」

夢野は空を見た。

「俺はもう今日みたいにサボったりはしない。
明日からは普通に朝から教室にいる。
明日が楽しみだな・・・」


夢野は意味の分からないことを言った。


そして、「告白か・・・」と呟くと再び本を読み出した。







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