Revive



僕達3人は濡れたまま教室に入った。
秋山は何を考えているのだろう。

僕と夢野と秋山。
3人が一緒に教室に入ったことで
クラス全員がこちらに注目した。

「あ・秋山?」

田口達が驚きを隠しきれず、秋山を見ている。

「どうして秋山が夢野と一緒にいるの・・・?」

ざわざわと教室中が騒がしくなる。
すると、1人の生徒が大声を出した。

「もう我慢できない!!」

その生徒は、秋山の後ろの席にいる男子の伊達友希だった。

伊達は夢野を指差した。

「秋山さん!どうして!?そいつは人殺しだぞ!?」

伊達の言葉に僕は驚いた。

「人殺し?」

僕は夢野を見た。

「バカ!伊達!余計なこと言うな!」

田口が怒鳴る。

「でも、直弥は死んだ!
そうだろ!?
夢野に殺されたんだ!」

直弥とは誰のことだろう。
夢野は雨で濡れた髪を触りながら伊達を見る。

「空野君!やっぱり君には初めから伝えておくべきだった。
でもみんな怖くて言えなかったんだ。」

伊達はそう言うと僕の席を指差した。

「空野君が転校してくるずっと前、
空野君の席には僕の親友である青木直弥がいた。
でも直弥は死んだんだ。
夢野が殺したんだ!」

しばらく沈黙が続いた。

「・・・・・・。どういう事・・・?」

僕はそう言うと夢野は溜め息をついた。

「たしかに、
俺は青木の死を目の当たりにしている。
側には俺しかいなかった。
でも、俺は青木を殺していない。
ただ・・・」

夢野は僕を見て黙る。

「夢野に触れた者は、みんな死ぬって話は本当なんだろ?」

伊達は言った。

「・・・ああ。本当かもな」

夢野は少しだけ笑みを浮かべた。

「直弥はお前と一緒にいたから死んだ!
お前に触れたから死んだ!
そうだろ!?」

伊達は机を叩く。

「・・・・・。」

夢野の表情が暗くなる。

「夢野に近付くなって理由は、そういうことだったのか」

夢野に近付けば、青木直弥のような運命になる。

このクラスの生徒達はそれを恐れているのだ。

だから僕を守るために、田口や磯谷、そして秋山は・・・。




















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