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恋ノート
僕は、担任の先生と共に教室へと向かっていた。
2年E組の教室の前まで来ると、僕は少し緊張してきた。
僕は転校生だ。
当たり前だが、僕のことを知っている人は1人もいない。
不思議な気分だった。しかし、嬉しくもあった。
先生が教室へ入っていくのを見て、ゆっくりと深呼吸し、
少し遅れて僕も教室の中へ足を踏み入れた。
さっきまで騒がしかった教室が、一気に静まり返る。僕は先生の隣に立った。
「転校生の空野翼君です!」
先生が大きな声でそう言った。
僕は教室を見渡すと、知らない顔ばかりが僕をジロジロと見ていた。
朝にノートを見せろと言ってきた男子を見つける。
そういえば、あのノートは誰の落とし物なのだろうか。
この学校に通っている生徒の落とし物である可能性もある。
「空野翼です。よろしくお願いします」
僕は小さな声で言った。
自己紹介も終わり、先生が僕の席を教えてくれる。
僕の席は窓側の後ろから2番目の席らしい。
僕は自分の席へ向かうと、さっきの眼帯をした夢野類が座っていた。
「あ!」
僕は思わず声を出した。
しかも窓側の、僕の後ろの席に座っている。夢野は、窓の外を見つめていた。
僕が近付くと、夢野と目が合った。
「同じクラスだったんだ」
僕が笑顔でそう言うと、夢野は僕を睨み付けてきた。
目で、「俺に話しかけるな!」と訴えているような気がしたので
僕はそのまま何も言わずに自分の席に座った。