Revive
僕は1人で学校の廊下を歩いていた。
教室に続く廊下は、いつもより長く感じる。
もう少しで教室に着くという時に、誰かの悲鳴が聞こえた。
その声は僕の教室から聞こえた。
すると教室から生徒達が次々に出てきた。
「早く逃げろ!!あいつに殺される!」
生徒達の言葉を聞いて僕は驚く。
僕は、逃げていく生徒達の間をすり抜けて教室の中に入った。
何人かの生徒が倒れているのを見て目を疑った。
僕はすぐに秋山を見つけた。秋山も床に倒れていて動かない。
「秋山!!」
僕は秋山に近づく。
「どうしたんだよ!秋山・・・何が・・・!」
秋山の体は冷たくなっていた。
生きているとは思えないくらいに・・・。
「もう死んでるさ・・・」
冷たい声が聞こえた。
僕はその声が誰なのかすぐに分かった。
僕は、その声がする方に顔を向けた。
夢野が立っている。
僕のことをじっとみつめていた。
「夢野・・・?」
その時僕は夢野が眼帯をしていないことに気付いた。
「な・何があったんだ・・・?夢野・・・」
僕はもう1度秋山を見た。
秋山は僕の目の前で目を閉じて動かない。
眠っているようにも見える。
「見ての通り、ここに倒れている奴らはもうみんな死んでいる」
夢野は僕に近付いてきた。
「なぜだか分かるな?」
夢野は僕の腕を掴んだ。
「俺の右目を見れば、人は死んでいく。
間違ってなかっただろ?
秋山は俺の目を見たから死んだ。」
夢野は僕に顔を近付けた。
「そして、お前も死ぬんだ。」
僕は夢野の右目を見た。
「ち・違うっ!!やめろっ!放せっ!」
僕は夢野の手を振り払って急いで教室から出た。
ここから逃げよう。
みんなと同じように。
夢野の目を見るとみんな死んでいく・・・
夢野の父親も医者も、そして青木直弥も・・・。
頭の中に秋山の顔が浮かんできた。
僕は走った。
もう見てしまった。夢野の右目を。
僕はこのまま死ぬのか!?
怖い・・・!怖い・・・。怖い!
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・・・・・・・・・・・・・・・・
「違うっっ!!!!!」
僕は目を覚ました。
「ゆ・夢・・・!?」
自分の部屋のベッドの上にいた。
僕は汗を拭いた。嫌な夢を見た。
なぜこんな夢を見るのだろう。
僕は心のどこかで、夢野の右目を恐れているのか?
(違う・・・僕が1番恐れているのは・・・)
僕は時計を見てハッとした。
急がないと遅刻してしまう!!