Revive
「僕はこれから夢野の右目を見ますが、
僕がこの先、死んでいようが生きていようが、
どちらにしても、皆さんが夢野を恐れる必要はもうなくなります。
僕が死んだら夢野は この学校からいなくなります。
僕が生きていれば、夢野の右目は呪いでも何でもないことが分かるので
彼はもう眼帯をすることはありません。
何か、言いたいことがある人はいますか?」
僕がそう言っても誰も何も言わなかったので、
僕は夢野を見て頷いた。
僕達が向かい合うと、夢野は眼帯に触れた。
「空野・・・俺は・・・」
夢野の手が震えていた。
「夢野・・・僕は・・・」
君に出会えて本当に良かった・・・と心の中で思った。
僕の目に涙が溢れてきた。
夢野は、僕の目の前で眼帯を外した。
初めて見る夢野の右目に、僕の姿が映しだされる。
夢野の右目から涙が溢れ始めた。
僕は驚いた。
よく見ると右目だけが涙を流していたのだ。
その目は、優しい目をしていた。
僕はようやくしっかりと
夢野の顔を見ることができた。
「夢野、何が見える?」
僕がそう聞くと、夢野は嬉しそうに微笑んだ。
「空野翼・・・」
僕達はしばらく見つめ合った。