Revive
学校の帰り道、夢野は青木について話をしてきた。
「空野。俺が青木の母親と話してるところ見てたんだな・・・」
僕はあの時の様子を思い浮かべた。
「夢野の誕生日の日だったんだよな。あの日は。雨が凄い降ってた」
今思うと、あの日青木の母親に会っていなければ
真実を知ることはなかっただろう。
「青木は、きっと俺のことを怨んでいると思ったんだ。
あいつも、俺の噂を恐れていた。
だから屋上で俺と目が合った時、凄く怯えてたんだ。
結局あれは、俺の目のせいではなく、
伊達によるイジメが原因の自殺だったことになるが・・・。
そうだとしても、俺はあの時右目の痛みさえなければ
あいつの腕を掴んで助けることができたかもしれないんだ」
夢野はそう言うが、もし夢野が青木を助けようとしても
場所が屋上。一緒に転落してしまう可能性だってある。
自殺を止めようとする夢野に、青木は抵抗して暴れる可能性もゼロではない。
とても危険だ。
「僕はその右目が突然痛みだした原因についても考えたことがあるんだ。
夢野が僕に過去の話をしてくれた時、
右目を閉じていれば痛むことはないって言ってたよね?
それなのに、青木が死ぬ前だけなぜか突然痛み始めた・・・。
つまりその目は、死が近い人物が近くにいると痛み出す。
・・・僕はそれしか考えられないよ」
僕は更に、父親の死と3人の医者の死についても考えた。
「夢野の父親と3人の医者の死が
もし、本当に夢野の右目のせいだとしたら・・・」
僕はそう言うと足を止めた。
「母親を殺した父親に対しての怒りや憎しみ、そして恨み・・・、
右目が痛みだした最初の原因はそれで、
まるで呪いのように、その目を見た者は死んでしまう」
僕はそれから夢野を見て微笑んだ。
「でもそれを変えた人がいた」
「変えた人・・・?」
夢野は不思議そうに僕を見る。
「・・・新一さんだよ」
夢野を変えたのは、あの新一さんしかいない。
新一さんがいなければ夢野はどうなっていただろう。
「そうであってほしいんだ。これは僕の願望かな」