【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
キノの自由気ままなとこも最初は気になったけど今ではもう勝手にどうぞって思うし
最後に私のとこに帰ってきてくれるなら
別にいいし。
キノがマヒロくんのとこ行ってる間に私はバックに色々詰め込んで帰る準備をした。
ほどなくしてどんよりした表情のマヒロくんがキノに連れてこられた。
キノは相変わらず嬉しそうに笑ってる。
「マヒロの好きなたこ焼き食いにいこーぜぇ」
「だから、俺は、今日は早く帰って久々の休息を…」
「遠慮すんなってば、部活ないなんて珍しいんだからさー」
マヒロくんの悲痛な眼差しが私に届いたのでとりあえず哀れみの目で返す。
しげしげ
キノが一度やると決めたことは何があってもやるからな。
悪い意味で。
「わーかった、食ったらすぐ帰るからな。
あとお前のおごりじゃねーと行かねーから」
「よし、タカ!割り勘な!」
「お前は高橋さんをなんだと思ってんだ!!」
がつんときついゲンコツがキノの頭のてっぺんに降り下ろされキノはその場で頭を押さえて悶えた。
いや、私はもともと割り勘だと思ってたんですけれど。
「もういいから、はあ、お前はちゃんと高橋さんに買ってやれよ」
「マヒロくんは紳士だねぇ」
「高橋さん、キノに感化されてんだよ…」
まさか
感化というかそれが当たり前になってしまっただけなんだよなうん。
悲しいことに