【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

どうして



キノに

ドッキリって…



どうゆうこと?





「高橋さん、キノは高橋さんよりカエルの方に行ったことどう思ってる?」


「え、うーん

いつものことだし、

まあいつもどおり"は?"って思いました」

「うん、だから、そんなキノをぎゃふんと言わせよう」


「どうやって?」


「かーんたん

ちょっと目つぶって」



言われた通り目をつぶると、ぼふっと布団らしきものをかけられた。

こんな暑い夏に、とも思ったが
そのあとすぐカメラのシャッター音が聞こえてそんなこと考える余裕がなくなった。


「な、」


「おお、思ったよりぽいよ。
ほら、事後の高橋さん」


「……ほらと言われても」


苦い顔をする私に反してマヒロくんはなぜか楽しそうだった。


楽しそうなのは何よりだけど

いったいこんな写真どうする気?



「これ、キノに送ったら絶対勘違いすると思わない?」


「何を?」


「俺と高橋さんエッチしたって」


「……………………………………………………………………………え?」


「一段と長い沈黙だー

これキノに送ってさ

高橋さん手放したらこうなるよ、っていうドッキリ」


「なーるほど」



そこでようやくドッキリの内容を把握できた。

つまりこれをキノに送ってキノがどう焦るか見る、ということ。


……キノ、焦るか?



たかがこんな肩出して寝てる写真一枚で動揺するようなやつ?


うーん、

わからん



「送るよー、はい」


「え、ちょっと待って」


「もう送りました」


「ええ〜〜…」
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