【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
明日はキノは来るだろうか。


「あら、おかえりー

ご飯は?」


「また今度」


「今度ってなによー
いらないの?置いとくわよ?勉強しなさいよ?」


「わかってるって」



私は帰ってくるなり部屋に入ってカバンを投げ捨てベッドに飛び込んだ。


もう
限界が近かった。


会いたい

キノに会いたい


元気なキノに

会いたい


寂しい


キノの居ない時間が長く感じる。

だけど

自分から会いに行く勇気がない。
必然性のあることしかできない。


急に電話したり会いにいって怪しがられたくない。

理由なんて聞かれたら恥ずかしすぎて答えられない。


私は

学校でキノを待つしかない。



早く時間が過ぎればいい



そうすれば

早く会えるのに


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