【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
扉が開く度に反射的に私は顔をあげてそちらに顔を移してはため息をつく。
まさか、また来ないの?
そんなわけない
約束したんだから。
来るに決まってる。
会いたいって
伝えてくれたじゃない。
だから早く
早く来て。
だいぶ教室がざわついていた。
みんな文化祭の話題で盛り上がっている。
うちのクラスはじゃんけんで負けて劇になったけれど
演劇部の吉田さんを始め、何人かの人のおかげでかなり本格的な演劇に仕上がっている。
ここまで本格的だと
やっぱりみんなやる気を出したようで
始めに反対していたのが嘘のようにみんな協力してくれている。
初めは不安もあったが
正直ここまで一致団結すれとは思わなかった。
あとは
キノさえくれば…
そのとき
また扉が開く。
私はだんだん慣れてきて期待も薄れてきていたころだった。
扉から入ってきた人に
みんなが目を向けた。
私は目を見開いた。
キノだ。
顔に一枚大きな絆創膏を貼っている。
寝癖みたいな髪がとびはねていて
無表情で扉の前で足を止めた。
私は立ち上がった。
キノと目が合う。
やばい
顔が
緩む。
「キ…」
「木野くん、大丈夫なのーー!!?」
あっというまに
私の視線を遮り
キノの周りに女子が集まった。
私はそれを呆然と見つめた。
無理もないか
文化祭前日に
やっと王子が登校してきたんだ。
声をかけずにはいられないだろう。
まさか、また来ないの?
そんなわけない
約束したんだから。
来るに決まってる。
会いたいって
伝えてくれたじゃない。
だから早く
早く来て。
だいぶ教室がざわついていた。
みんな文化祭の話題で盛り上がっている。
うちのクラスはじゃんけんで負けて劇になったけれど
演劇部の吉田さんを始め、何人かの人のおかげでかなり本格的な演劇に仕上がっている。
ここまで本格的だと
やっぱりみんなやる気を出したようで
始めに反対していたのが嘘のようにみんな協力してくれている。
初めは不安もあったが
正直ここまで一致団結すれとは思わなかった。
あとは
キノさえくれば…
そのとき
また扉が開く。
私はだんだん慣れてきて期待も薄れてきていたころだった。
扉から入ってきた人に
みんなが目を向けた。
私は目を見開いた。
キノだ。
顔に一枚大きな絆創膏を貼っている。
寝癖みたいな髪がとびはねていて
無表情で扉の前で足を止めた。
私は立ち上がった。
キノと目が合う。
やばい
顔が
緩む。
「キ…」
「木野くん、大丈夫なのーー!!?」
あっというまに
私の視線を遮り
キノの周りに女子が集まった。
私はそれを呆然と見つめた。
無理もないか
文化祭前日に
やっと王子が登校してきたんだ。
声をかけずにはいられないだろう。