【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
午前の授業が終了すると
クラスだけでなく学校全体が騒がしくなる。


いよいよといった感じで

うちのクラスも最後の準備へと取りかかる。



「役者組昼飯食べ終わった人からいつものところに集合ねー」


吉田さんの声に返事をしそうになり声を飲み込んだ。
私はもう姉役ではない。

今は衣装係だ。


といっても
衣装はとうに出来上がっていて、とくにすることはないだろう。


他の大道具係を手伝うのかとも思ったが
そちらもほとんど出来ているらしい。


あとはそれらを全て使ってうまくできるかどうかだ。

何か差し支えが出たらすぐに対応しなければならない。


右前方の遠い遠いキノの方をちらっとみると

役者の人たちが集まって話をしていた。

練習中は変更点ばっかりだからそのことだろう。


私は邪魔できない。
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