【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
「ふぁっ、や、ぁあ、キノっ、キノっ、ダメだよ、そんなっ、んぁあ」


「にゃあ」


「…!!!?」



ばっと目を開くと
大輝ちゃんがペロペロと首もとを舐めながらにゃあにゃあ鳴いている。


き、キノが大輝ちゃんに…

とは、思わなかったのは

朝日がよくよく事実を教えてくれたからだ。


ゆ、夢ーーーーーっっ……!!!


またかっ


なんなの、私


どんだけやらしい夢みれば気がすむの!?


私はどんだけ欲求不満なのよぉおおっ!!


ばかばか私のあほ。


キノの猫耳は大輝ちゃんのせいか。
話していたことも全部…


すっかり目が覚めて

なんだか長いこと眠っていた感覚に襲われる。


いったい今は…



「っっっ」


電子時計の衝撃的な数字に声が出ない。


8:58


大大大大大遅刻、だ。


あわわ

あわわ


まず何からすればいいのかおろおろと行ったり来たりしていると携帯が目にはいる。

光が点滅している。

メールと電話、2つの光だ。


画面を確認する。

私は目を見開く。


キノからの着信

24件


少しぞくり。


あ、よく見たらそのうちの5件はエリちゃんだ。


いやそれでも19回キノが電話してきたのか。

落ち着け、落ち着け

まだ何があったかなんてわからないじゃない。


着信が連続であったのは4時ごろ

私が家に居るときだ。



とにかく

次はメールの確認だ。



メールの方は

14件。



エリちゃんは5件


来た順にメールを開いていくことにした。


一件目で

状況を把握してしまった。
< 157 / 415 >

この作品をシェア

pagetop