【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
自分の席についてカバンを整理。
課題も予習もちゃんと終わらせた。
今日も完璧な私
素敵よ!
自画自賛しながら頬杖をつく。
さて
もうそろそろかな?
ガラガラっと前のドアが開く。
はいきました!
愛しのフーちゃんこと高橋冬ちゃんです!
クールビューティな照れ屋さんです!
肩まで伸びた黒い髪。
前髪はいつも真ん中で分けておでこが綺麗です。
「タカ!!おはよ!」
「おはよー…」
眠そうに右手で目を擦りながら左手はキノくんが握っている。
さっき私と話したときと大違いの無邪気な笑顔。
あー、可愛いやつや…
キノくんはフーちゃんの前だと一段と可愛くなる。
なんか女の子みたいね。
フーちゃんがキノくんの頭を丁寧に撫でると
キノくんは足をパタパタ動かす。
こいつら可愛いぞ!!
しかしまあラブラブだ。
フーちゃんも案外キノくんに負けないぐらいキノくんにぞっこんだし。
クラスの女の子たちはあまり二人が付き合ってるのをよく思ってない人が多い。
まあこのクラスの女子の女子力が高めだからかもしれないけど
フーちゃんは実際スカートもギリギリ膝上だし
化粧しないし
髪を結ったりブレスレットとかもつけないからな。