【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

バスケ部の部活が終わり私は急いで体育館の入り口に待ち伏せした。



「おっ、恵梨香ちゃんだ〜」


「あ、こんちわ」


「なになに?誰まち?彼氏出来たの?」



名前の知らない先輩に話しかけられ適当にスマイル。
我ながら自分の顔の広さが恐ろしい。


「マヒロくんでーす。あ、別に付き合ってはないです」


「マヒロかー!あいつモテんなほんと」


「おいマヒロー!彼女待ってんぞ!」


「あの、だから、彼女違うんですけど」



先輩がたにその声は届くことなく代わりにヒロちゃんが走ってきた。



「なんだよ」


うっわ


可愛い幼なじみが待ってやってんのにその反応?


照れんなよ〜



「ちょっと話そうと思ってさ」


「…わかった。待ってて」


ヒロちゃんは部室に入ると数分後制服に着替えて出てきた。

ヒロちゃんからフレッシュな制汗剤の香りがする。


靴をはきかえて外に出ると
秋の風が少し寒く感じた。

秋空ってなんだろう。


空を見上げながら考えてみた。

秋の空は高いらしいけどわかんねーな。


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