【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

「キノいいよ入って、」


ドアを開けてキノに声をかける。


「…あ、おう」


「適当に座っていいから」

「はい」


やけに素直だな。


「くつろいでいいから、ほら、緊張しないで
トランプでもする?」


私なにいってんだ小学生じゃあるまいし

私も緊張してんだった。


「トランプ、は、やらない」


「そう」


落ち着いて座ることも出来なくてとりあえず勉強机の置物を意味もなく並び替える。


キノの家だったら何も気にしないのに


なんか、私の部屋にキノがいると
全部見られてるみたいで恥ずかしい。



「失礼〜、はい麦茶、お菓子も!
ゆっくりしてってね!あと猫ちゃんの名前もつけてあげなさいねぇ」


なぜかいつの間にか子猫かう方向で話進んでるんですけど…


子猫はテーブルの上でおぼつかない足取りで歩いていた。



「…………………っぶはぁっ」


「なに!?」


「息とまってた」


「大丈夫なの…、きっとすぐ慣れるよ」


「うん、タカのお母さん、タカに似てた」


「そうかな」


子猫の頭をつつきながらキノはちょっとくつろぎ始めた。
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