【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
よかったよかった
これで晴れて
和解できたわけなのかな。
これも全部
フーちゃんのおかげだよ。
フーちゃんが勇気をくれたから
助けてくれたから
また、ヒロちゃんと幼なじみに戻れた。
ありがとう
ありがとねほんとーに
好きになるわけだよな
フーちゃんのこと。
仕方ないわ、これは。
だけど、だとしたら
私はどうしたらいいんだろう。
フーちゃんがキノくんとちゃんと仲良くやっていけるように応援する?
ヒロちゃんがフーちゃんといい感じになるように仕向ける?
私の恋を貫く?
なんだこれ
頭こんがらがってきたな。
うーんけど、
他人の恋に私が変に手出しするのも余計なお世話か。
今までどおり
陰で見守っておけばいい。
ヒロちゃんが誰かに傷つけられていないか
フーちゃんが悲しんでいないか
キノくんは
少し理解不能だからあまり手出し出来ないからな。
いやー
私っていい子だなぁ
私はきっと
最後までいい子で報われないタイプなんだろうな〜。
たった一度の青春時代
告白なら何回かされたけれど
一度も受け入れたことはない。
私は
ヒロちゃんがちゃんと誰かと付き合ってあの頃の嫌な思い出も全部忘れて笑えるようになるまでは
見守ると決めたんだから。
だけどさ
あの告白なかったことになってんのは癪だなぁ…
あれでもちゃんと緊張したのに。
まあ
好きとはいわかったから仕方ないのかな。
だったら
言っちゃおうか。
思い出した今
言ってしまおうか。