【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
けど、なんでだったんだろう。
あまりたくさんの人と関わりたくない理由でもあったのかな。
中学時代はほとんどヒロちゃんとしか話してなかった。
それが
高校に入って
突然フーちゃんを好きになって
よく考えたら不思議だな。
説明ならいくらでもつくけど
フーちゃんはたくさんいいところあるから
「しかし、高校に入って、急に色恋に目覚めるとはな」
あ、おんなじこと考えてた。
「不思議だよね」
「人と関わろうとしなかったキノが
高校に入っていつごろだったっけな。
まだ夏になってなかった」
「うん」
「高橋さんが好きだって急に俺に言ってきて、いや俺に言われてもって感じで
そんとき高橋さんは知ってたけど
あまり目立つ人じゃなかったから」
たしかに
フーちゃんはぱっとみ目立たない子だ。
私も初めはほとんど話していなくて
キノくんとフーちゃんはいつも隣の席で
キノくんはいつもフーちゃんにちょっかいかけたりして遊んでた。
「あいつの教室通りかかったとき驚いたよ
高橋さんとすごく楽しそうに話してた」
「ヒロちゃんっていつから好きなの?」
「………二人が付き合ってからかな、気づいたのは」
「じゃあほんとはもっと前から好きなんじゃないの」
「いいだろそこは。わかんねーよいつからとか」
恋は突然に、ですからねぇ
私もある意味突然だったし。