【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

幼なじみって

へんな境界がある。


悪ふざけで口にした言葉はみんな"幼なじみだから"で説明がついてしまう。


ヒロちゃんにとってもそうなのだろうか。


どうしたら分かってくれる

いや、これ以上ヒロちゃんの重荷になりたくない。


幼なじみは幼なじみらしく

悪ふざけで


思いの丈を表せばいい。


それができるのが
私の特権なんだから。




「ヒロちゃん、好き」


「は?」


「好き好き好きーー〜っっ」


「うわ、ちょ、おもっ」


「重くはないだろ!」



ヒロちゃんに飛び付いてソファーに倒れる。

そのままヒロちゃんに抱きついて離さない。

ヒロちゃんの呆れた声がするけど

そんなの気にしない



きっと今この瞬間だけは


私で頭いっぱいでしょ?




「ねー、ヒロちゃーん」


「なに、」


「男の人って可愛い女の子にくっつかれるとここがたつんじゃないの?」


「おまっ、変態か!!!」


割りと本気で頭をチョップされた気がする。

痛いし痛いし痛い!!



「だってヒロちゃん体調不良かと思って心配で」


「心配しなくていいし、高橋さんじゃないと………………」


「え?なに?フーちゃんじゃないと?え?元気にならないって?」


「うるせえって!!女が下ネタ喋んなよ」



また叩かれた。

でも、嬉しいかも


いやMじゃなくてね、

またこうやってバカな話とか出来て。


< 204 / 415 >

この作品をシェア

pagetop