【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

「あ、カレーカレー、でっきたっかな〜」


「話そらすな」


「そらさないでほしいの?
フーちゃんのこと想像して興奮する話を?」


「ちがう!!しないし、興奮しないし!」



必死すぎじゃない?

そうやって必死なとこみるといじめたくなるってわかんないかな?


鍋の蓋を開けてかき混ぜるといい香りがした。


うん、完璧




「できた?」


「うん、できた」


「腹へったー早く盛って」

「はいはい」



新婚と言うより熟年と言うより

なんかお母さんって感じ。

そっけないけど
あったかい気持ちがあるから。



「福神漬けあったかなー」


ヒロちゃんが冷蔵庫のなかを漁ってる間に保温されてる炊飯器からご飯を盛ってカレーをかけた。


特別にご飯とカレー2:3の割合で



「どーぞ」


「さんきゅー」


福神漬けをドバッとカレーにかけるといただきますも言わずに食べ始めた。


パクパク食べてくれる


嬉しいけど
感想!

待ってるの分かんないかな。



「おいしい?」


「ん、うん。まあ」


「まあってなに、まあって」


「なんか、懐かしい味だ」


ヒロちゃんはそう言うと
全部食べてくれた。

おかわりもしてくれた。

今回はちゃんと美味しくできた。
あのときとは違って



ふと時計を見ると
夜8時をゆうに回っていた。


そろそろ帰らないと

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