【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


「タカ、ありがと」


「な、なに急に」


「大輝飼ってくれて、」


「いいよ、お母さんいいって言ってるし
お父さんはお母さんに逆らえないから」


「タカ、大好き」


「………」



不意打ちはよくないと思います…

心臓に悪すぎる。

キノがいつもみたいにテーブルに突っ伏すと私を見上げてニッと笑った。


私は

ほんとにキノに甘い。


私とマヒロくん置いて帰っちゃったことついつい忘れてちゃいそうになる。



「ね、タカ、」


「なに」


「俺タカが彼女でよかった」


「はいはい」


「タカったらほんとクールビューティーオブザマウンテン」


「わけわかんないこと言わないで」


さっきまでいいムードだったのに…

キノって簡単にそういうこと言うけど
そのたびこっちは心臓ヤバイんだから。

クールビューティーオブザマウンテンさえなければ…



「じゃ、俺そろそろ帰る」


今回くらい手とか繋げるんじゃないかとか抱き締めてくれないかな、なんていう淡い期待は叶わず


何事もなかったかのようにキノは帰っていった。


そしてあとから分かったけどこの子猫

メス猫だったらしい。


かくして大輝ちゃんがうちの家族の一員になった。
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