【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
貴方の言い分はきっと正しい。
私がどれだけその場の雰囲気やらにのみ込まれてきたかすぐに思い出せる。
でも
「私は、洗脳されてるだけかもしれないけど
それでもいい。
あの日私の隣に居たのは他の誰でもないキノだった。他の人なんてありえない
それは偶然だけど
私はなんとなく好きになったんじゃない。
私はキノじゃなかったら付き合っても心から好きにはなれない」
いつも以上に舌がまわった。
つい早口になった自分に気づいて急に恥ずかしくなる。
私はなにを言っているんだ。あほー…
ほら皆私に注目してるじゃあないか。
「うわー、フユすごいこと言うね」
「フーちゃん大胆きゃーっ」
「……この話終わろ」
「けどさー」
なぜ終わってくれない。
変なこと口走って羞恥心で死にそうなのになぜ話題続行するの。
そうだウインナー…食われたんだった。
もう
なんなのこの人は。
「キノはフユのこと
たぶんほんとの意味で好きじゃない」
「……は、」
アザミくんは王様みたいだけど接しやすい。そんな印象があったのに。
アザミくんは王様みたいで人の弱味にどんどん付け入る人に変わりつつあった。
アザミくんはどうしてそんなに私に関わるの
バカにするのも大概にして。