【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
「あらー、ごめんなさいね…じゃあ」
バタ
そりゃそうだ。
よく考えてみればうまくいくわけないよこんな他に人がいるデンジャラスな環境で。
どうかしてる。
「最悪……っ、」
「まあ…お母さんも公認したところで改めて」
「この後に及んでまだやるの!?」
「やるよ、タカだってやっと腹くくってくれたんだし」
それはそうだけども…
確かにもうお母さんも来ないだろうし
隠れる必要もなくなったわけだ。
「タカ、好きだよ」
柔らかく微笑むキノ
強かなやつだまったく。
キノが顔を近づけ
私は反射的に目を閉じた。
今度こそ
なんのためらいもなく身を委ねればいいんだ。
「…あんたたち、ちゃんと避妊はしなさいね?」
「もうしませんっっ!!バカーーーっっ!!!」
お母さん
再び来場
キノをベッドから落として布団を被りながら叫んだ。
キノを問答無用で家から追い出したあと小一時間布団のなかで耐え難い羞恥にまみれて
それこそ死にたくなった。
私はいったいいつになればキノと出来るんだろう。
キノの望むことならば
私だって嬉しいのに
どうしていつもうまくいかないんだろう。
無理矢理追い返しちゃってキノを傷つけたかもしれない。
いくらなんでもちょっとかわいそうだった。
私が拒否しなかったのも悪かったし
てかお母さんっ……
いつも私の部屋なんてめったに来ないくせになぜ今日来たの。
もういや
わけわかんない。