【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
しっかり防寒して、私は新しく出来たレンタルビデオ店に足を運んだ。
途中で雨脚が強くなり歩幅を広くしながらはや歩きして、レンタルビデオ店へたどり着く。
傘の水を飛ばして傘おきにかける。
さて、何を借りようかな。
やっぱり新しいだけに結構人がいる。
レジにも列が出来ているし、売れ行きも好調だろう。
私はとりあえず店に入って一番目立つ新作が並べられている場所に行った。
ほおほお
これもこれもこの前までテレビのCMでやっていたものだ。
もうレンタルできるのか、すごいや。
けど何がよくて何が悪いのかわからない。
とりあえず一番借りられてるやつなら失敗しないんじゃないだろうか。
いやいや待てよ
こうやって店のなかで目立つとこに新作を置くことによって足止めしてるんじゃないか?
私みたいな映画初心者はきっとこうやって映画業界の策略にかかるのだ。
私はそうはいかないぞ
新作の誘惑に負けない、私は50円の旧作を借りに来たんだから…!
更に足を進め旧作コーナーへと来た。
なんか全然知らないのばかりだ。
その上新作と違って作品紹介もないし一作品一枚しか置いてない。
試しに適当に一枚取ってみる。
…はっ
裏面に軽くあらすじが書いてあるじゃないか!
これはいい。これなら自分好みの作品を探せる。
わかってきたぞ、レンタルビデオ店!
私は旧作コーナーをうろうろしながら手当たり次第あらすじを見まくり
一つの作品に決めた。
可愛い猫の生涯を描いたほのぼのムービー
理由はパッケージの猫が大輝ちゃんに似ていたからだ。