【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
確かに

せっかく借りたのに家で見れないなんて100円だからって悲しすぎる。

だったらマヒロくんの家で見せてもらう方助かる。


「俺の家の方近いんじゃねー?そこだけど」


「え、あ、そうなんだ」


「割りと綺麗だしこっちで見れば?」


「高橋さん、うちにブドウたくさんあって消費困ってんだ。
よかったら来てよ」


「ブドウ…」


「フユ、うちハーゲンダッツ買い置きしてんだけど食いながら見よーぜ」


「は、ハーゲンダッツ…」



なんだ魅力的すぎるぞどっちも。
あれ?今なんの話してるんだっけ。

そうだ、DVDを見せてもらうんだった。


ブドウもハーゲンダッツもどっちも魅力的だ…

ああ、目が眩む。


…いやいやいや

何を目眩ましてんだ。


たとえ友達としての付き合いでも

キノを不安にさせることはもうしないって決めたじゃないか。


ましてまたマヒロくんとかの家に行くなんてどうかしてる。

同じことの二の舞…になることはないだろうが。


こういうのは私の気持ちだ。


ばれるかばれないかじゃない。

私はどこにいても

キノのことを考えながら行動したい。



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