【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

「アザミくんは、キノの何を知ってるの?この髪どめは…」


「持ってきたよ〜」



私の言葉はエリちゃんの高い声にかき消された。

エリちゃんの持つおぼんにはハーゲンダッツやブドウがのってる。


「おっ、季節限定のある」

「それうまいよー」


アザミくんもハーゲンダッツに釘付けになってソファーからおりた。

また、聞けなかった。

それはそうとここで聞くべきじゃないかもしれない。

せっかく楽しい雰囲気なんだから、暗くしちゃ悪い。

「お、始まる」


小さな映画観賞会が始まった。
溶けないうちにアイスを食べながらじっと画面を見つめる。

今さらだが洋画を借りてきたようだ。

音声は英語で字幕があったが誰もつっこまなかったので黙って観賞することにした。

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