【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
そうして二枚目の観賞会。
こちらはただただ捨て猫を拾った主人公のほのぼのコメディみたいなものだった。


大輝ちゃん似の白いにゃんこがひたすらに可愛かった。

ほのぼのしすぎて寝そうになったが。


さっきよりも短めの映画で起承転結もなしに初めから最後まで一定のテンションで終わった。


悪くはなかった。

もう猫を見るためだけの映画だなこれは。



「終わった〜」


エリちゃんがぐぐーっと背筋を伸ばすと私の肩に寄りかかった。


「フーちゃん見れてよかったね」


「うん、ありがとう」


お礼を言うといやいやと謙遜するエリちゃん。
でもほんとによかった。

家に帰っても見れなかったんだから。


二枚の映画観賞が終わり時刻は5時過ぎ、帰るのにちょうどよい時間帯だった。


「じゃあ、私そろそろ」


「あ、うん、」


「俺も帰るわ」



外に出ると綺麗な夕焼けが広がっていた。

今日1日充実した時間を過ごせた気がする。課題をやってないことは除き。

< 252 / 415 >

この作品をシェア

pagetop