【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


「もう疲れたのか?」


「ガタガタして腰いたい」

「それはしゃーねーな。まあゆったり行こーぜ」


「そのつもりなんだけどねぇ」


一応心身共に休む目的でもあるのだこのキャンプは。
自然豊かなとこでのんびり秋を楽しんで、心を落ち着かせるために。


そのあとガイドさんが私たちを連れて

森に入った。


えっ、森行くんってちょっとびびったけど、もうここから今日の日程が始まっていることに気がついた。


そういえば、しおりの題名はただのキャンプではなく"××山生態観察及びキャンプ"

だった。


ガイドさんが山道を歩きながらそこら辺に生えている草やら花やらキノコやら木やらについて詳しく説明してくれるが、私にはただのそれにしか見えない。



歩いては立ち止まり歩いては立ち止まり

正直

地獄だ。



「これはこの山に群生してる…」



初めは皆メモしたりなんだりしていたがさすがに一時間経過したら顔に疲れがにじみ出てくる。

しかしこのガイドの爺さんよく喋るな。

きっとこの山を知り尽くしているんだろう。


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