【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
キャンプ場で一回並んで、テントの器具を受け取り、まず班ごとにテントを張って荷物を置きお昼ご飯を食べた。



やっと休めた。



てか、もっと自然のなかでのんびりくつろげるかと思っていたのに

いつもより疲れてる自分がいる。


そりゃそうだ。

あんだけ歩いたんだもん。

疲れて当然だ。



「疲れたぁ」

「だよねぇ」


テントのなかは狭くて座り心地も悪い上に昼なのに暗い。
隠れ家みたいでちょっとわくわくするけれど。

テントは男女別でそこでも別の班がある。


アザミくんも男子に混じって行ってしまった。


私のテント班にはエリちゃんと、文化祭で姉役をした仲良し2人組の麻美ちゃんと友紀子ちゃん。


2人とは仲良くもないけど、悪いこともない。


エリちゃんとは前まで仲良かったはずなのになぜかエリちゃんは私とつるむようになったので、今はそんなに一緒に居ない。


けれどこうやっておなじテントに入れられると不思議なことに楽しく話せた。


狭いテントのなかでおにぎりをかじりながら駄弁ってる声はこの外にはきっと聞こえていない。



「2時まで休憩か。あと30分ぐらい」


「それから夕飯作り始めんのかぁ…今昼飯食べてんのに」


「夕飯ってなにかな」


「カレーじゃなぃ?」


「定番だねぇ」


ふふふ、つまんなぁい、そんな会話。

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