【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


勝手に納得して、私は腕を組んだ。


「けほっ、」


「フーちゃん笑いすぎ?」

「はは」


なんか、風邪気味だからか、かなり寒いな。エリちゃんは私が笑いすぎてむせたと思ったらしい。

すると麻美ちゃんがばっときらきらした目をこちらに向けた。



「そおだ、高橋さんの話聞かせてよ!」


「え!?わたし!?」


「うん!家とか行くの?」

「行くっちゃ、行くけど…」


「もう初体験は済んだの?」


「すすす、済んでませぬ」

「ませぬ?えー、そうなんだ、じゃあちゅうは?」


「それは、まあ、ちょくちょく…」


「だよね、てか文化祭で人前でしてたしね」



思い出さないでください!

死にたくなるから!


「けど、どっちから告ったの?てかいつから付き合ってた?」



質問の繰り返しに私はぐるぐると回る頭をなんとか落ち着かせて一つ一つ整理した。

恋ばな、聞くのはおもしろいのに


自分のこととなるとどうにもダメだ。恥ずかしい。

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