【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
「高1の夏に、あの、キノが…」
「へー!木野くんから!?どんな風に!?」
「ふ、普通に、放課後に、教室誰も居ないときに…」
「好きですって?」
「そんな、感じです、はい」
「高橋さんも好きだったんだ?」
「まさか」
そう、そのときは、好きとかじゃなくて。
ただ気になるだけだった。
どんな人なんだろーっていう興味があって。
隣の席だから話したりして。
そうだ
キノに告白された話には
続きがあった。
確か、ええと。
好きって言われたとき、まさか、自分が告白されるなんて思えなくて信じられなくて、
聞いた。
え?って。
なに?何が好きだって?って。
キノは目を泳がせながらあーえー、なんてきょどきょどしていて。
私の様子を伺いながら、気まずそうにもう一度声を出した。